FBでの投稿したものをこちらにも少々改定して。
性分で、「忙しい」っていう言葉が嫌いです。
忙しい忙しいって言ってたら、周りが近寄りがたくなったりするからというのもあるし、「忙しい」って言ってるほとんどの人よりも自分のほうが圧倒的に忙しい場合が多かったから。
何よりその忙しいっていう人達が無茶振りしてくるので、どうしても人より仕事に割く時間が多くなってしまうんですよね。
おそらく同級生の誰よりも忙しいんじゃないかな。
私より忙しい人は、たぶんデザインワークスの和田さんくらいでしょうか。
WEBデザイナーとして自立するにあたって色々と相談にのってくれたり、今も数件一緒に仕事させてもらったりしている、いわゆる師に近い方。
昼間打ち合わせ行って夜中にデザインやる人で、よく夜中2時3時とかまで話に付き合わされたりした。私自身が睡眠時間多い方ではないけれど、Wさんはほんとにいつ寝てんのってくらい精力的に仕事してる。二回りくらい年上の方だけどね。(昔3人くらいでデニーズで夜中から朝まで8時間くらい語ってたこともあったっけ。。。)
デザイン、WEBに対しての基本姿勢のこと
せっかく2017年になったのでぶっちゃけた話をしようと思う。
私の関わるお客さんの多くは「売上をあげたい」とよく言う。
ただ不思議なもので、私の提示する条件のほとんどを「忙しい」という理由でこなせていない。
資料が足りなかったり、SNS等で毎日発信することができなかったり、打ち合わせ諸々の時間がとれなかったり。あとは1日2日で急に案件を仕上げなきゃいけなかったり。
基本的に私の方針は”極甘”だからいいよいいよって言ってだいたい甘やかすパターンが多い。
多少(多少?)こちらが割を食うことが多いけど、基本的に相手に本気になってもらうのを待っている。
そこまで多い額面もらわないから、というのも一つの理由。
もちろんそんなところが劇的に伸びるかっていったら、ほとんどのところが横ばいがいいところ。
かける予算も時間も本気じゃないからしょうがない。
「手を抜かれてるんじゃないか?」とか「結局webにお金かけても無駄じゃないの?」
と思われるかもしれないが、そうじゃないってことは改めて伝えておきたい。
実は過去に、ものすごい伸びた事例もあるから2つだけ紹介しよう。
2012年頃のこと
一つはペットショップの話。
当時から新進気鋭なペットショップだった。
私が関わる前からある程度オフィシャルサイトの形はできていたが、毎月の打ち合わせに社長さんの要望を受け取り、まだ若い自分には自分からのアイデアはなかなかないから、受け取ったものをなるだけ期待以上の仕事を、常に+20%くらい喜んでもらえるようにと毎晩夜中まで案を練ったりしていた。
社長さんの手腕も大きかったのだろうが、次第に会社の規模も大きくなり、社員募集のサイトを作りたいと依頼を受けた。
今までチームとして作っていたものだったが、珍しく私一人にデザインもコーディングも任せてもらえたので最高のものをと思い、大まかな構成を考え、サイトマップを作り、ワイヤーを引いてコンテンツを細かく決めていく。
その過程であちらに「この情報が必要になります」というのをExcelに40行くらい(もっとかも)まとめて提出。
質問の隣に、簡単な回答用の枠だけ作って返信してくれればよかったが、向こうの熱意が予想以上に熱かった。
その結果、次の打ち合わせで社員とバイト全員からの集めたぶ厚い資料を渡される。
枚数にして100枚以上あった。
アンケート用紙にしてくださいって言われた時点で何に使うんだろうって思ってたが、一人一人丁寧に書いてもらえるなんてと感激の血涙を流したのを覚えてる。もちろん1日で全部読みました。
もンのすンごく大変な作業だったけど、「あーこの人はこんなこと思って働いてるんだ」「こんな人もいるんだ」「なんで?!」ってのもあったり、すごく血の通った会社なんだなっていうのは感じた。
使われるのはどうしても一部になっちゃったけど。
webサイトの項目としては、
社長の紹介、会社の紹介、仕事の紹介、店長などの紹介、募集要項、ぶ厚いアンケートをエンターテイメント的に見せて社員の生の声を紹介。
今見るとトップページ等のデザインはだいぶ手は加えてあるけど、基本的なデザインは当時のままで改造されてたから、まぁまだ気に入ってもらえてるっていうのがすごく嬉しくもある。
そのお店も今では、北は東北から南は沖縄まで全国各地に出店するに至ってる。
当時はほんとに未熟で力不足な自分が担当になったことで、やきもきしただろう社長さん、専務さんたちには時に叱咤頂きながらも全力で協力いただいたので感謝してもしきれない。
きっと今のディレクションの元素はここだろうと思う。
私自身が頑張ったとも言えるけど何より仕事を依頼してくれたクライアントさんが一緒になって頑張ってくれたからこそ、こうして大きな功績が残せてるんじゃないかなと思う。
2014年頃のこと
もう一つは結婚式場のクライアントの話。
集客に伸び悩むとの相談から、ホームページを全面リニューアルをしよう、ということになった。
最近のビジュアルを取り入れたいという強い要望があったので、デザインを特に注力したことを覚えている。
当時は結婚式場ではまだ珍しかった大きめの写真を全面に出す手法で、トップページは花嫁と花びらが散っている画像がドンと出る。
近年では写真を大きく表示するのはwebデザイン界隈ではスタンダードになってきた。
式場や料理などの写真も見やすく大きめにし、余分な枠も排除して見やすくした。
より多くの写真をということでスライダーを取り入れる。
スタッフ紹介も少し遊び心を工夫し、クリックで人柄が現れる文章を表示する。
顧客の声も手紙をスキャンした画像が大きめに表示されるようにした。(生の声っぽさを強調)
また見ている人も実際に体験してるかのような工夫も取り入れてる。
管理画面もカスタムフィールドを多様して、クライアントの方で更新が楽なように仕上げてたりする。
更新頻度は必然的にあがり、自然とSEOに好かれるサイトができあがる。
正直なところ、だいぶ年季の入った式場で真新しさはなく、最新の競合相手に比べたらハコとして狭いという話も聞いていた。
実際に担当のプランナーさんに頼み込んで式場を取材させてもらい、どういう流れでお客が来てどういう場所で式を挙げるのか、また賓客はどういう空気を感じるのか、肌で見たことも重要だったように思う。
徹底的に情報収集した結果、雑誌やネットの声からも「スタッフがすごくいい人だった」「予算がない中で最大限に意見をくみとってリーズナブルに対応してくれた」
という声が多かった。
なら人の良さを活かそうと出来上がったのがそのサイトだった。
リニューアル完了後、すぐに退職したので効果の程はわからなかったが、
しばらく後にふと思い出して、ふらっとサイトを見たら2014年にゼクシィで賞をもらってたようだった。
正直なところ
私自身もとても厳しいことを言ってしまえば、きっと今の多くのクライアントさんもほぼ確実に売上は伸ばすことはできるでしょう。
そのためには最低必須条件があって、
・「忙しい」を言い訳にしないこと。
・期日を切るのでくれといった資料はちゃんと用意すること。
・月1などでも定期的に打ち合わせ&洗い出しをすること。
・最低1年間は毎日SNSでの発信をすること
実は、これらができない会社やお店は非常に多い。
「業務が忙しくてやる時間もない」「打ち合わせといってもお客様優先だから」「毎日何を発信したらいいのかわからない」
色々な会社を経験してきたからこれらの言い分も確かにわかる。
でも、実現できるように工夫することも、不可能ではないはず。
時間がないからといっても、毎日どこかしらで時間を作り出すこともできるはず。
現場は忙しいだろうから、コンプライアンス専用の部署を作ったりマネージャーや経営者が広報に回るところもある。
あるいは現在の業務を効率化したらなんとか時間を作り出せないのだろうか?
また、毎日何を発信したらいいのかわからないというのは非常に危ない考え方だとおもう。
末端の社員やアルバイトが、自社サービスについてそれほど思い入れや知識がない場合もあるだろうが、会社の屋台骨を支えてる役職やマネージャー、なにより経営者がサービスについて思いがないというのなら、そのサービスはもう売れるのを諦めた方がいいだろう。
逆に、一緒に頑張ってくれるなら確実に伸びるクライアントは多いということでもある。
『一緒に頑張ってくれるなら』というところがポイントで、
私のやり方は「言われた事は守ってね」だけじゃなく、「一緒に頑張りましょう」のスタンス。
本気の人には本気で対応するし、24時間いつでも電話出ますよ。一緒に頑張ってくれてるのだから。
なんてことを、つらつらと昨年末に思ったのだが、
今年はより自分の心の求めるままに仕事をつきつめて、足かせは置いていって、
一緒に仕事をした自分、仕事仲間、クライアント、顧客がお互いが幸せになれるように頑張りたい。
齢30ということで、まだまだ今年も周りにいろいろな迷惑をおかけすることもあるかと思います。
素敵な時間を共有させていただけたらと精進しますので、今年もどうぞよろしくお願い賜ります。